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モンテッソーリ教育のデメリット ②

 前回から、だいぶ時間が空いてしまいました。スクールでは、春休みが明け今週から1学期がスタートしています。


 今回は、モンテッソーリ教育について一番誤解されがちな「自由」について書いていきたいと思います。モンテッソーリ教育は、子どもの主体性を大事にする教育であることから、「子どものやりたいことを尊重する」ことがひとり歩きし過ぎて、制限の部分について語られることが少なくなってきたように感じます。また、一方では子どもが静かにお仕事をする姿を見て、子どもが大人に抑圧されているのでは、と捉えられる親御さんもおられます。


 モンテッソーリ教育では、「自由と制限」はコインの表と裏のように考えられており、自由とは「制限のある自由」を指し、子どもが何でもしてよいという自由ではありません。自由には常に責任が伴い、子どもにしていいこと、悪いことを与えた上で、子どもに自由な環境=整えられた環境を与えると考えられています。また、モンテッソーリの環境では低年齢の時は、自由は少ししか与えられませんが、お仕事を選ぶ幅が増えることにより、自由が広がっていきます。


 一番大切な制限は、まず他人、自分、物を傷つけないことです。この原則は、0~6歳のすべての年齢に共通することで、人も教具も家具も大切に扱います。

 自由(制限)には、3つ挙げられます。第一に、「仕事をする自由」で、モンテッソーリの環境では、どんな教具を選んでも構いません。ただし、誰も使っていない教具のみ使えるという制限があります。

 第二に、「動く自由」です。自分の好きなところに移動することはできるが、屋内では歩く、屋外では走っても良い、など人に迷惑をかけないような動き方をしなければいけませんん。

 第三に、「話す自由」です。ただし、制限として、部屋の中に見合った声を出すということを設けなければいけません。


 子どもは「制限ある自由」の中、自己選択によって作業に集中して取り組み、内なる規律を作り出していきます。内的規律には、常に援助=外的秩序(制限)が必要であり、環境における一定の制限=外的規律によって、子どもは環境の中の社会的ルールを学び、自分の意志で選択をしていきます。


 最後に、少しクラスの様子を。新型コロナウィルスが5類になることを受け、食べ物のお仕事を再開しています。大人気のお仕事ですが、切るだけで満足して食べないお子さんも多いです。


バナナを切る

 お弁当後は、テラスに出て水やりも。


花の水やり

 プライマリークラスに上がられたばかりの年少さん。「雑音筒」のお仕事です。同じ音の筒をペアにして合わせていきます。難しいお仕事ですが、上手にできていました。

雑音筒

 年中の女の子は、最近一段階難しいお仕事にチャレンジすることが多いです。言語のお仕事をよくやっています。


小さい黒板

 次回は、春休みに訪問したシカゴの現地校のモンテッソーリクラスの様子をご紹介したいと思います!

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